大阪トップランナー育成事業

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2026年度1期
プロジェクト認定
エントリー受付中
株式会社maemo atomo
2024年度第2期認定 ヘルスケア

株式会社maemo atomo

産前産後の女性の抱える課題に向き合い、運動を通して解決するアプローチを提案。次なる成長をめざす創業二年目に、コーディネータとともに臨んだ取り組みとは。

医療のバックグラウンドを持つ
サービスを世の中に普及させたい。

(江邉)

トップランナー認定に選ばれた2024年は、法人化してちょうど二年目に入った頃でしたね。

(西山)

はい、maemo atomoは産前産後の時期の女性の健康課題や社会課題に対して、運動を通して解決するという新しいアプローチ方法を提案しています。トップランナー事業に応募したのは、初めて従業員を雇用して二店舗目をオープンし、それに伴って新しいサービスを始めたタイミングでした。創業スタートを切って、そろそろ足元を整えていきたいと思ったのがエントリーしたきっかけです。

(江邉)

西山さんは、もともと助産師だったんですね。

(西山)

そうなんです。医療現場で働く中で、命を生むということがさまざまなリスクをはらんでいるという場面を見てきました。妊娠時期は高血圧や糖尿病など、産科合併症が二人に一人以上の頻度で起こりますし、メンタル面では産後の鬱が十人に一人以上の割合で起こっているという現状があります。

(江邉)

私は三歳半の子どもと一歳半の双子がいるんですけど、西山さんとお会いした時は双子が生まれて半年ぐらいのタイミングで、子育てや出産がタイムリーな話題でもありました。お話を聞いていけばいくほど、自分たちのような夫婦にとって知っておきたいサービスだなと感じましたし、こういう医療のバックグラウンドを持っている人たちが提供するサービスが世の中に普及するべきだと強く思いましたね。

(西山)

正直なところ、私は最初コーディネータさんの伴走に重きを置いていなかったんです。けれども、江邉さんと1回目の面談をさせてもらった時に、「おやおや」と(笑)。とても熱心で、この事業に対して一緒にどうにかしたいという思いが伝わってきました。

(江邉)

コーディネータとして初めて担当する企業だったので、やれることは全部やらせてもらおうという思いが、もしかしたら溢れ出ていたのかもしれません(笑)。

重点を置いたのは、
売上ではなく崩れない「土台」作り。

(江邉)

大阪トップランナーのハンズオン支援としては、売上拡大や成長を追求することが多いですが、認定されたタイミングが二期目だったこともあり、maemo atomoにとって重要なのは、ここから五年でどれだけ飛躍的に成長できるかだなと面談を通じて思ったんです。一年目は足元をしっかりと固めてきたので、ここで崩れないようにしっかりと土台を作って、この先に飛躍的な成長ができる体制を作るということが一番必要だと思い、支援の焦点をそこに絞りました。

(西山)

そうでしたね、売上ではなく、土台作りに徹する一年間でした。だから、MVV(ミッションビジョンバリュー)を固めることから始めたんですよね。自分たちのミッションを見つめ直すためにも、また社員がこの先増えていっても、会社として何を大事にしているかを伝えられるようにするためにも、とても重要な取り組みでした。

(江邉)

さらに私が大事だなと思ったのは、「医療の経験やバックグラウンドを持っている人たちがやっているサービス」という点を、どうやって訴求していくか、ということでした。情報発信の体制を作るという意味で、広報の体制も固めましたね。

(西山)

私たちの取り組みは一見わかりやすいのですが、社会課題や健康課題の大きさや、解決策としての運動の可能性を伝えることが難しいなと感じていたんです。文章力の高いメンバーがいたので、彼女の医療者としてのバックグラウンドを生かして広報を進めたいと江邉さんに相談しました。

(江邉)

外部の力を借りてはどうかと、副業人材やプロボノプログラムなどを紹介しました。

(西山)

募集の仕方から面接などもアドバイスをもらいながら、広報のスペシャリストの方に伴走をしてもらう体制を作ることができました。さらに、託児スタッフもSNSで呼びかけることで採用できました。

(江邉)

大学との取り組みが始まったことも大きな成果ですよね。

(西山)

大学との共同研究や産学連携にも積極的に取り組みたいなと思っていたので、そこは思考の整理を江邉さんに手伝っていただきました。結果、大阪大学との取り組みがスタートしましたし、連携先の病院数も増え、病院とのイベントや助産師の教育課程への講義も始めることができました。助産師の育成や支援体制の拡充など、サービス以外の取り組みも発展した一年だったんじゃないかなと思います。

どんなことでも相談できる関係性が
事業としての成果につながった。

(西山)

とにかく、なんでも江邉さんに相談していました。すごく悩んだ緊急時には、夜にミーティングしたこともありますよね。

(江邉)

みんな、お風呂上がり、ということもありましたね(笑)。

(西山)

maemo atomoが困っているとき、江邉さんは、いつでも力になってくれる心強い存在です。まさにこれが伴走支援ですよね、ありがたいです。

(江邉)

何かあった時にまず相談してもらえるという関係性を序盤に作れたことが、とても良かったなと思っています。私自身のスキルやノウハウだけではなく、大阪産業局全体で持っているリソースやノウハウでしっかり支援できますし、我々のリソースにないものは、支援金の200万円を使って外部の専門家に課題解決をお願いすることもできます。そうやって、企業のさまざまな悩みや相談に寄り添った支援ができるというのが、大阪トップランナー育成事業の強みですね。

(西山)

江邉さんが、私自身のことも事業のことも、しっかり理解してくださったからこそ、ちゃんと適切な人につないでくださったのかなと思うんですよね。今年は土台を固める一年だったという話がありましたが、蓋を開けてみれば一年前と比べて売上が倍以上になっています。しっかり数字としても成果は上がっているかなと思います。

(江邉)

この一年で、西山さんは本当に成長されましたよね。私は、関わる方が増えたことによって経営者として成長されたのかなと感じています。私や外部の人材や専門家の方と関わることで、maemo atomoとして成長とは何だろうと向き合われた一年間だったと思うのですが、どうですか。

(西山)

その通りですね。一年前と比べて、ステークホルダーが増えて、それとともに、私自身も本当にいろんな分野の人と会話する機会ができました。自分がどういう立ち位置でいて、どういう発言をしたらいいのか、どういうふうに会社を成長させていったらいいのか、すごく向き合った一年でした。江邉さんに成長したと言ってもらえて嬉しいです。もうすべてが成長材料だと思っているので、これからも、常に変化しよう、成長しようっていう意識は持ち続けていきたいです。

(江邉)

最後に、トップランナーに応募したいと思っている人たちに向けてメッセージはありますか。

(西山)

私は、ここまで伴走支援をしてくださるアクセラレーションプログラムを他に知りません。アドバイザーもいて、メンバーのように参画してくれるコーディネータがいて、ダブルで支援があるというのは全国で見ても他にない、唯一のプログラムだと思います。私たちのように足元を固めたい時期の方や、大きく飛躍をめざしている段階の企業に特におすすめです!

株式会社maemo atomo

2024年度第2期 認定プロジェクト実施企業
株式会社maemo atomo
代表取締役 西山 夏実氏

1991年、大阪府生まれ。大阪大学大学院医学系研究科スポーツ医学博士課程に所属し「産前産後の身体活動と産科合併症との関連」をテーマに研究を行う。
助産師として働く中で、お産中やその前後でお母さんと赤ちゃんに命の危機が起こりうることを目の当たりにし「産前産後の時期に生じる産科合併症や身体トラブルの発症率低下をめざした適切な運動」の必要性を感じ、2023年に株式会社maemo atomoを創業。

株式会社maemo atomo

大阪トップランナー育成事業 大阪産業局コーディネータ
江邉 信太郎氏

公益財団法人大阪産業局 スタートアップ支援事業部 ディープテックチームに所属。人材確保支援を専門に、大企業からスタートアップまで幅広く採用活動をサポート。
自身もベンチャー企業で新卒・中途採用を担当した経験があり、現場感覚を持ちながら企業の採用戦略づくりを支援している。計画づくりからチャネル設計、実行フォローまで、一貫した伴走を得意とする。

株式会社maemo atomo

ピラティススタジオの運営

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