
紙もメールも不要!コンテンツのやりとりをDXするプラットフォームを「文化」に。
人の手による「校正」作業が行われるコンテンツ制作現場で、膨大な手間と時間を削減するプラットフォームを開発。コミュニケーションの新たな「文化」としての普及をめざす。
校正業務に必要な機能を集約し、作業効率が向上
- いまコンテンツ制作の現場ではどのような課題がありますか。
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水谷
学習教材、マンガなどの出版物、スーパーのチラシのような販促物、広告物など、我々がコンテンツと呼ぶものの制作過程では、必ず人の手による「校正」が行われています。これまでの校正は、紙に印刷したものを関係者に回覧し、修正内容をまとめるという手間のかかる作業でした。近年では、メールやチャットでのやりとりも増えていますが、チェックする人は添付ファイルを開いて確認し、紙に印刷して校正し、朱書きを入れた紙をスキャンしてメールに添付して返す、という非効率なやり方が依然として行われています。
- 認定プロジェクトは、これらの課題をどのように解決するのでしょう。
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水谷
弊社が提供する「Brushup(ブラッシュアップ)」は、コンテンツ制作の現場に特化したコミュニケーションプラットフォームです。コンテンツのやりとりを中心に設計しており、コメントやファイルのやりとり、校正などの機能を集約。校正をする際も紙に印刷する必要はなく、オンライン上で複数人が同時に校正することができます。また、「Brushup」のアカウントを持っていれば、社外の人とつながって制作を進めることもできます。このように校正業務に必要な機能が集約されるため、作業効率が向上し、社内外の関係者が本質的な作業に集中できる環境を提供します。

コンテンツ制作に特化したツールを開発
- どのようなきっかけで、プロジェクトを立ち上げたのですか。
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水谷
私はITソリューション企業やベンチャー企業で、システムエンジニアとしてさまざまなITツールの開発に関わってきました。そのなかで、多くのお客様が膨大なメールの対応に追われているのを目の当たりにしてきました。特にデザイン会社やゲーム会社といったコンテンツ制作の現場では、朝から晩まで大量のメールがきて、画像をダウンロードして、修正内容をメールで伝えて、またメールが来たら返して・・・ということを繰り返していました。この状況を何とかできないかと考え調べたところ、当時、プロジェクト管理やタスクマネジメントのサービスはありましたが、コンテンツ制作に特化したツールが世の中になかった。そこで、オンラインで制作物の進行管理ができるツールの開発に取りかかり、2015年にプラットフォームのサービスを立ち上げ、独立して2017年に株式会社Brushupを設立しました。

行動が制限されたコロナ禍がチャンスに
- これまで、どんな苦労がありましたか。
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水谷
立ち上げた当時、紙で校正していた企業が従来の仕事のフローを変えてまでオンラインサービスにお金を払う、ということはほとんどありませんでした。サービスへの理解も得られない上に、「校正は紙で」という考えも根強かったです。転機となったのは、2020年からのコロナ禍です。外出が制限され、紙で校正をしていた企業では命がけで出社しなければならなかった。我々ならこの状況を救えるとプラットフォームを3ヵ月間フリーで提供したところ、出版社、教育コンテンツ会社など大手企業に使っていただき、一気に認知度が上がりました。

- 実際にお客様から、どのような声が届いていますか。
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水谷
制作にかかる工数が約70%削減できたという感想をいただいています。一つひとつの作業は1、2分でも、数十人分の作業が積み重なれば膨大な時間になります。また、一つのタイムラインで管理できるので、校正漏れなど確認ミスがなくなったという声もあります。

人と社会の成長につながるコミュニケーションを
- 今後のビジョンについて教えてください。
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水谷
2000年代、一人一台パソコンを持つようになりメールが文化になりました。2010年代は会話のようにやりとりできる、チャットという文化が生まれました。2020年代は「コンテンツのやりとりをするならBrushup」となるように、新たなコミュニケーションプラットフォームの文化を築いていきたいと思っています。

- Brushupは、どのような未来をめざしていきますか。
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水谷
我々がめざしているのは、会社のミッションでもある「コミュニケーションを探求し、人と社会に成長を」ということです。人は言葉や文字から始まって、互いの考えを伝えられるようになりました。さらに電話の発明により、遠く離れた場所に音声で言葉を届けられるようになり、現在はオンラインが発達しますます便利になっています。一方で、人と直接会ったり、ちょっとした雑談ができたりする素晴らしさも感じている。いい仕事ができれば人として成長でき、事業が成長し、それが社会の成長につながっていきます。さまざまなITコミュニケーションの手段が乱立しているなかで、私たちは、よりよい社会の成長につながるコミュニケーションのあり方を探求し続けます。
希望するマッチング
&パートナー例
- 印刷や出版業界の校正業務の課題解決を支援するソリューションパートナー
- 連携することで双方のサービスの価値が向上する制作管理、クラウドストレージ、デザインツールなどを運営する企業