世界中どこでも農業を実現。小さな植物工場から、都市と未来を
街中の空き家などに小さな植物工場を導入。農地不要の室内農業で、食料自給率改善やCO2削減など社会課題を解決する。
PROJECT:
「たたみ一畳」から始まる都市型農業のインフラを構築
- プロジェクトについて教えてください
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須貝
私たちは、「世界中どこでも農業」を実現したいという思いから、LED照明と養液循環する栽培技術により、畳一畳分のスペースで農業ができる装置を開発しました。設備の導入だけでなく、栽培マニュアルの提供、人材育成、販路開拓など、トータルな事業化支援を行っています。この装置があれば、畑がなくても、オフィスの一角や空きテナント、遊休不動産などをリノベーションし、安定的に野菜を生産できる小規模植物工場が可能になります。水と電気があれば栽培が可能で、台風や猛暑、水不足といった自然条件や季節に左右されないのが大きな特長です。
- 従来の植物工場との違いはどこにありますか
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須貝
初期費用の低さと、導入後の伴走支援です。一般的な植物工場は数億円規模になりますが、私たちは約200万円からスタートできます。農業未経験の企業でも、事業として成立するところまで設計するのが私たちの役割と考えています。そうすることで、持続可能な農業を実現し、企業の農業参入を増やしていきたいです。また、企業の製造工場や住環境などから排出されるCO2を室内で野菜に吸収させる装置「Direct Air Capture(ダイレクトエアキャプチャー)」の開発を進めており、野菜を育てながらCO2削減に寄与できると考えています。
農業人口の減少や高齢化で農業が危機的状況に
- どのような社会課題を背景に生まれたのでしょうか
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須貝
日本の農業を担う人材は長期的に減少が続いており、農業人口の高齢化も進行しています。その結果、担い手不足や事業継続の困難さといった課題が、各地で顕在化しています。農業は努力や情熱だけでは続かない構造があり、未来の子どもたちに安心安全な野菜を届けるために、この事業をスタートしました。
- 植物工場は、その課題をどう解決できると考えていますか
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須貝
企業が参入することで持続可能な農業につながりますし、個人が植物工場を始めれば農業人口減少による食料自給率の問題を解決する糸口となります。さらには、農業を簡素化することで、高齢者や障がい者の人々も野菜づくりに関わることができ、雇用促進にもつながります。もう1つ解決したいのが、全国各地で増加している空き家の問題です。空き家に小さな農業装置を設置すれば、近隣住民の方々のコミュニティスポットになる可能性もある。農業という手段を通して、雇用、地球温暖化、空き家といった社会課題を解決していきたいと考えています。
失敗したからこそ掴むことができた「勝ち筋」
- プロジェクトの立ち上げの経緯を教えてください
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須貝
これまでも植物工場はありましたが、栽培技術や技術を継承するノウハウが乏しく持続が難しい状況にありました。その点、私たちは、最終的に野菜をお金に変える出口戦略までサポートできます。なぜ、できるのか。それは、私が前職で3億円規模の植物工場事業に失敗しているからです。設備や技術は良かったのですが、栽培ノウハウが属人化していて、販路まで設計できていなかった。農業は「つくる」だけではダメで、「売れる」ところまで含めて初めて事業になる。その学びが、今のモデルにつながっています。
- これまで、どんな苦労がありましたか
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須貝
プロジェクトを立ち上げた頃は、金銭面でかなり厳しかったです。売上400万円、月収が16万円の時期もありました。子どもが小学校への就学を控え、住宅ローンも抱える中で、先行きに不安を感じる厳しい状況が3年目の途中まで続きました。ただ、その経験があったからこそ、赤字前提で急成長をめざすのではなく、黒字を積み上げながら持続的に成長する方針を選ぶことができた。家族も従業員も幸せにするには、会社が黒字でなければ幸せにできないという思いが今もあります。
企業農家を増やし、日本の農業と自給率を守る
- 大阪トップランナー育成事業に、どのような期待を持っていますか
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須貝
経営経験のない中で、事業を成長させるための新しい視点を求めて応募しました。当社は営業活動を行わず、Webからの問い合わせを起点に売上をつくっていますが、反響を増やすための広報ノウハウや人材が不足しています。現在は大阪トップランナー育成事業の伴走支援により、広報やリード獲得の考え方に加え、進捗管理や数値分析の重要性を学んでいます。私だけでなく、社員一人ひとりの意識と行動が変わり始めたと実感しています。
- 今後、スパイスキューブがめざす姿を教えてください
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須貝
今後も農業人口を増やすことをめざしていきます。ただし、個人農家を増やすだけでは限界があります。毎年1万人が新規参入しても、1?2年後に残るのは1,000人以下。それだけ農業は厳しい産業です。一方、企業は資本力と継続性を前提に、失敗リスクを考えながら事業を続けられることから、農業人口を押し上げられる存在だと考えています。「企業農家」を増やすための手段として植物工場を提供し、日本の農業と食料自給率を守る。そうして、未来の子どもたちに食に困らない社会を残したいですね。
希望するマッチング
&パートナー例
- 地域事業会社(不動産、製造業、福祉など)
- 遊休スペースを保有する企業やカーボンニュートラルに関心を寄せる企業