おでかけ情報メディアでペットとの共生社会をアップデート!
日本最大級の愛犬家コミュニティを通じて自治体・企業と協業し、観光・医療・防災を支援するプラットフォームに。
ペットに救われた経験が起業につながった
- プロジェクトを立ち上げた経緯について教えてください
-
小西
10年前に3度の流産を経験し、その時に3年ほど引きこもりの状態になりました。家からも出られずに毎日泣いてばかりいたときに、家族の薦めで今の愛犬「きなこ」を迎えました。一緒にお散歩に出かけたり、カフェに行ったり、ペットを介して人とおしゃべりしたりするなかで、だんだん世界が広がり、もう1度社会とつながれた、という原体験から、ペットの存在で救われる人を幸せにしたいという思いで2020年に起業。全国でペット可のカフェや観光スポットなど、5,000スポット以上が検索できる愛犬とのおでかけ情報サイト「おでかけわんこ部」というメディアを立ち上げました。
点在している情報をつなぎ、価値のある情報を提供
- プロジェクトを立ち上げるにあたり、どのような課題がありましたか
-
小西
それまで、ペットと一緒に出かけられる情報が集約されたポータルサイトがないことに課題を感じていました。私たちの「tent tent(テントテント)」という会社名には、全国の飼い主さんが持つ点在している情報を、きちんと整理して、点と点との情報をつなぐことで価値のある情報を提供したい、という思いが込められています。Instagramからスタートし、後にウェブメディアとして独自のサービスを展開するようになりました。情報提供は、全国にいる「部員」さん、つまり実際の飼主さんからなされており、リアルな声が集まる愛のあるコミュニティとして月間50万人ユーザーの国内最大級のメディアとなっています。当初はカフェと宿だけでしたが、今はキャンプ場、ドッグラン、観光施設、道の駅・・・と情報も増え、地図で見たいというご要望に応えてスポットを地図で確認できる「おでわんMAP」を2023年にリリースしました。
- 収益源はどこから得られていますか
-
小西
ホテルや観光施設などのPRや記事広告など、広告収入が一つ目の柱となっています。二つ目の柱が、ペットフレンドリーをめざす自治体さんや事業者さんです。ペットの需要を感じているが、どう対処したらいいかがわからないというようなケースでは、企画の段階から入るなど伴走型のサポートを行っています。今、神戸市観光局と白浜町と包括連携協定を結んでおり、まちづくりの部分で今後も自治体とつながりを作りたいと考えています。また、三本目の柱として、今後はアプリをリリースし、サブスク型の有料機能を設けたいと考えています。大阪トップランナー育成事業では、そのあたりをハンズオンで支援いただいています。利用規約の設定や、ユーザー数や売上げの目標設定などを整理していただき、その都度、必要な支援やアドバイスをいただけるので非常に心強いです。
コロナ禍によりペットツーリズムの気運が上昇
- コロナ禍の影響はなかったのでしょうか
-
小西
今考えると、逆に追い風になりました。癒しを求めてペットを飼う方が増えましたし、インバウンドの減少により、宿泊業界では「ペット連れの国内旅行者が熱い」という認識が広まったと感じています。星野リゾートがほとんどの施設でワンちゃんOKルームを設け、航空会社のスターフライヤーがペット機内同伴サービスを開始するなど、2022年頃から一気に業界の中でペットツーリズムの気運が高まりました。そうすると、ペット連れのお客様をどうやって受け入れたらいいのか、何に注意すればいいのか、どういうものを用意して、ご飯はどうしたらいいのか、というような課題をサポートして欲しいというニーズが増え、現在の自治体との連携やサポート事業につながっています。
- 今後、どのような展開を考えていますか
-
小西
既存のウェブサイトとInstagramと地図を集約してアプリ化し、より身近に感じていただけるようなサービスを今年の秋にリリースする予定です。現在、そのアプリの実装に向けて大阪トップランナー育成事業の伴走支援でサポートしていただいているところです。今はお出かけ情報のみの発信ですが、アプリをリリースする際には、夜間対応の動物病院や避難所、ペットの事業者など、暮らしのサポート面も加えたいと考えています。現在、日本では約700万匹のワンちゃんがペットとして飼われています。ネコを合わせると約1,500万匹を超え、15歳以下の子どもの数よりも多い状態にあります。(※1)そうした大きな市場があるなかで、飼い主さん達が最も利用しているポータルサイトにしていきたいという思いがあります。自治体さんや事業者さんをはじめ、ユーザーさんの声を集めてオリジナルの商品を作りたいというようなメーカーさんともマッチングし、ペットツーリズムの推進にさらに力を入れていきたいと考えています。
サービスを通じて飼い主さんたちを幸せにしたい
- めざす未来やミッションについて教えてください
-
小西
「人とペットの共生社会をアップデートする」ことが私たちのミッションです。点と点の情報であったり、今課題として挙げられているマナーの問題であったり、人であったり、施設であったり、地域だったり、点在しているあらゆるものを一つずつつないで、ペットとの共生社会をアップデートしていきます。また、起業時から掲げているテーマとして「きみのワクワクはわたしのHappy」があります。私たちのサービスを通じて、飼い主さんたちを幸せにしたいという思いが、私自身のモチベーションになっています。
-
※1)出典元:一般社団法人 ペットフード協会調べ
希望するマッチング
&パートナー例
- 自治体・観光局・宿泊施設・商業施設・交通事業者・ペット関連企業(フードグッズ、保険)・防災関連企業・動物病院など
- ペットフレンドリーな環境整備や観光振興、マナー啓発を共に推進できる企業・団体