プロジェクトサポート(ハンズオン支援)

ハンズオン支援事例

株式会社ファースト・ペングイン2017年認定
個性という可能性を伸ばして、だれもが能力を発揮できる社会へ。

TOP画像

日本における一律教育の状況に疑問を感じ、20年以上前から個性を伸ばす教育に尽力してきた中村社長。その経験と実績から体系化された診断・プログラムが、トップランナー認定され、いま全国への拡大をめざす。

親子

子どもたちの個性を伸ばすという、社会的にも有意義なプロジェクト。

(中村)これまで20年以上の私塾経営を通じて、子どもたちの教育現場で個性を伸ばす教育というものに取り組んできました。この”個性”には、発達障害や自閉傾向などさまざまな障害も含みますが、そうした子どもたちがきちんと進学し、就労し、社会的に自立できる「療育」に取り組んできたわけです。この教育プログラムをこれから全国展開していこうという取り組みでトップランナー認定を受けることができました。

(岡島)中村さんが、経済産業省の実施する女性起業家応援プロジェクト『LED関西』で活躍していた頃から知っていますが、社会的に見てとても有意義な取り組みだなと思っていました。しかも驚くことに、彼女自身が子どもたちのさまざまな課題にあわせて200以上もの教育プログラム、トレーニング方法を習得しているんです。

(中村)子どもたちの個性というのは本当にさまざまです。たとえば読書が苦手な子がいたとして、周囲は読書に興味がないからだと思うかもしれません。けれど、もしかしたら眼が上手に使えていないからかもしれない。もしそうならビジョントレーニングを行うことで状況を改善できます。それどころか、トレーニングを通じて他の子どもにはない視野や思考を身につけることもあるんです。教育の現場でいろいろな子どもたちとフェイストゥーフェイスに接しているうち、自然と多彩なプログラムを身につけてきた感じですね。

全国展開を実現するために、診断ツールの標準化からスタート。

(岡島)ただコーディネータとして最初に心配したのは、そうしたノウハウを全国展開するとなると、中村さんと同じようなスキルを持つ人がどれぐらい居るのかということです。だれでも再現性のある教育を行うには標準化された診断ツールが必要。まずはそこからスタートしました。

(中村)これまで個別対応で行ってきた診断を標準化して、だれでも適切な判断を行えるツールを整備するというのは本当に新鮮な視点でしたね。二人三脚の作業で、約2か月かけて診断ツールを完成させました。

(岡島)私はもちろん教育や心理学の専門家ではありませんから、あくまでも客観的な意見を出しただけです。けれど第三者から見て説得力のあるものがつくれるのではないかと思ったわけです。このツールが完成できたからこそ次のステップ、こうこう教育方法があることへの認知を広める段階に移れました。

中村様 岡島様

施策をステップアップさせていき、着実に拡大していった認知度。

(中村)認知度の向上についても、ものすごく意欲的に協力してくださいました。まずは近隣の幼稚園をリストアップしてくれて、どこをいついつまでに訪問しましょうと。そうした活動を続けるうちに噂を聞いた出版社から取材がオファーされ、大学から講演依頼を受け、さらには書籍出版まで話がどんどんまとまっていきました。まさに、道を切り開いてくれたという感じです。

(岡島)最初は私の所属している大阪産業創造館のプリ―ペーパー『Bplatz』に登場してもらったんですよね。書籍の出版に関しても編集や構成のできるコピーライターを紹介したりしました。

(中村)もともとラジオのパーソナリティなどをやっていることもあって情報発信は好きだったんですが、いつも良いタイミングで、とても的確な支援をいただけました。ハンズオン支援のすごいところは、そうしてみんなであたたかく応援してくれるところです。いまの私があるのは岡島さんのおかげといっても良いぐらいですよ。

(岡島)それでも、コーディネータとしての担当期間中に全国展開という目標まで到達できなかったのは残念です。

(中村)いえいえ。現在では三重県や和歌山県など、他県からのオファーも増えていて、着実に地域は拡大しています。遠方では沖縄の方もいらっしゃいます。

(岡島)そう考えると、全国展開へのきっかけづくりぐらいはお手伝いできたと思っても良いのでしょうかね。

いまや0歳から100歳まで。どんどん広がっていくターゲット。

(中村)また、京都の有名なお寺から「強みを生かす教育という視点が面白い」と声をかけていただいて、そこで発明教室を開催しました。この発明というのは個性を伸ばすためにもユニークな切り口で、これから力を入れていこうと思っています。生活便利グッズなどは頭の柔軟な子ども向きですし、ビジネスモデルの開発なら大人にも適しています。ロボットプログラミングなどで発想力や思考力を高めて発明へと導き、特許取得の方法まで含めた教育プログラムにしていきたい。

(岡島)中村さんの教育というのは、単なる受験対策ではなく、個性を伸ばすことにフォーカスしているので、年齢など関係なく多くの人たちがターゲットになるんですよね。だからこそ、今後も発展性があります。

(中村)ええ。わたしたちの教育プログラムは認知症予防にも有効だということで、デイサービスの施設からもオファーが来ているほどです。もう0歳から100歳まで、すべての人たちが対象です。

(岡島)その豊かなアイデアと行動力は、まさに起業家として理想の資質だといえるでしょう。

中村様 岡島様

経営者のやりたいことを止めずに、できる方法を考えることが支援。

(中村)岡島さんに言われた「経営者としての自覚」は、いまも忘れないようにしています。ずっと“先生”として生きてきたので“経営者”としての感覚が身についていない。損益とか、固定費とか、そうした数字がどうしても感覚的というか。

(岡島)たしかにオファーがあればなんでもOKする人なので、サポート期間中に少し不安がありました。そこで毎月の業績を管理する仕組みを作ったりもしましたね。

(中村)いまでもあのシステムには助けられています。ただ思い返すと、岡島さんからは常に「やりましょう」「いいですねえ」と肯定的な言葉しか聞きませんでしたね。「認めてほめて愛して育てる」というのが私たちの教育方針なのですが、まさにそんなサポートでした。

(岡島)コーディネータとして、経営者の方がなにかを始めようとするときに、それを止めるようなことは基本的にしません。むしろ、やれる方法を一緒に考える立場です。ただし、初期投資だけでなく運転資金、人材などの長期的な視点を忘れずに。そのうえで、やれる方法を検証していくわけです。

(中村)トップランナー認定のおかげで、こんなにすばらしいコーディネータに支援していただけたことには、本当に感謝しています。

ハンズオン支援の実例

<課題点>

Issue.1
中村社長の個人的なスキルにだけ頼っていては、人材面から全国規模での展開は難しい。

Issue.2
地域内だけの活動では、認知度が向上していかない。
こういう教育があると知ってもらうため教室外での活動が必要。

<ハンズオン支援の内容>

  • だれでも同等の教育を実現できる ツールの整備。
  • 幼稚園などをリストアップし広報活動
  • 大阪産業創造館の情報誌『Bplatz』で紹介
  • 書籍出版をめざして構成編集のプロを紹介
  • 月次の業績管理システムを構築

<結 果>

全国展開に向けて人材面での課題を解決するため、だれが利用しても評価の再現性がある診断ツールを完成。

教科書出版社などからの取材、大学からの講演依頼により認知を拡大。

『子育てのススメ: Dreamy Kids〜100億年前からの約束』(デザインエッグ社)を出版。

企業の声

“いつも「やりましょう」と肯定からはじまり、ともに実現方法を考えてくれる支援でした。”

2017年度認定プロジェクト実施企業 株式会社ファースト・ペングイン 代表取締役 中村 美保

2017年度認定プロジェクト実施企業
株式会社ファースト・ペングイン
代表取締役 中村 美保

日本では一律教育が標準であることに疑問を感じ、運営する私塾で個性に合わせたプログラムを提供。そのプログラム数は200以上に及ぶ。自らの経験と教育的根拠をもとにした個性を伸ばす教育は、絵画教室で14年連続二科展入賞者を輩出するなど、さまざまなコンテストや検定で多大な実績を残し、多くの子どもたちの才能を開花させてきた。インターネットラジオ局で局長兼パーソナリティとしても活躍中。

著書:『子育てのススメ: Dreamy Kids〜100億年前からの約束』デザインエッグ社

大阪産業創造館 経営相談室 シニアコンサルタント 岡島 卓也

担当コーディネータ
大阪産業創造館 経営相談室
シニアコンサルタント 岡島 卓也

大阪府出身。中小企業診断士。家業の酒屋経営に従事した後、コンビニの運営指導やIT系コンサルティング会社の勤務を経て現職に至る。創業全般の支援や新規事業の立ち上げ、経営戦略・事業計画書の作成、資金繰り及び資金調達などを重点的に担当する。各種のセミナー講師として登壇するなどコンサルタントとして多彩に活躍。

企業DATA

認定プロジェクト名:
子どもたちの個性を活かす発明家学校

認定プロジェクト詳細はこちら

ハンズオン支援事例

TOPに戻る