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女性のキャリアと出産の両立を不妊リスク検査で応援

PROJECT
卵子の数を計測する血液検査キットEggU
COMPANY
株式会社BeLiebe

女性のキャリアと出産の両立を不妊リスク検査で応援

女性の社会進出が進むなか、キャリアと出産の両立は大きな課題に。手軽に現在の卵子数を検査できる「EggU」は、理想のライフプランを考えたい女性の心強い助けとなる。

手軽な検査で不妊リスクを見える化

― 「EggU」は卵子数検査キットということですが、どういったサービスですか?
志賀 女性は約200万個の卵子を持って生まれますが、個人差は当然ありますし、年齢によって減少していきます。この卵子の数が妊娠できる可能性に影響するわけですが、じつは血液中のホルモンの濃度から計測することもできるんです。そこで、現在の卵子数を簡単に確認できるキットとして「EggU」を開発しました。自分で採取した血液を送ってもらえば、それを検査し、結果をスマホなどで確認できます。単に数値を提供するだけではなく、質問票と合わせて4段階で不妊リスクを見える化しました。さらに医療専門家による個別サポートもオンラインで受けられるサービスです。

がんばっている女性が報われる社会を

― なぜ、このサービスを始めようと思われたのでしょう。
志賀 現代では女性の社会進出が進んでいますが、将来的に出産を希望する女性にとって妊娠リミットの問題は大きなハードルになっています。私自身、大学院を卒業してP&Gに入社したのが26歳。仕事そのものは充実していたのですが、キャリアアップのために海外勤務も経験したいと思った時、帰国してから結婚して、と考えると高齢出産になってしまう。キャリアと出産育児、どちらかを選ばなければいけない。がんばっている女性が報われないという現実は、やはり理不尽だなと思ったんです。

― それが「EggU」につながったわけですね。
志賀 ホルモン検査で卵子数がわかることは産婦人科の先生から聞いたのですが、これまでは不妊治療分野の技術でした。それを治療ではなく予防やライフケアの観点から利用できないかと考えたわけです。早いタイミングで自分の現在地を知っておけば、長期的にライフプランを計画できますからね。

クラウドファンディングでの大きな反響が自信に

― 事業化に当たって苦労したことはありますか?
志賀 アイデアに巡りあったとはいえ、それを事業化するのは本当に大変でした。学生時代から、研究成果を応用して社会に役立てるベンチャーに興味はありましたが、ビジネスのビの字も知りませんでしたしね。既存の採血キットがあることも知らなかったし、検査をするにしてもどこの機関に依頼すれば良いのか。しかも検査結果は単なる数値ですから、意味のあるデータに翻訳しなければ利用者は理解できない。いろんなところに聞いて、探して。ようやく解決方法を見つけたと思ったら、次は個人とはなかなか取引や契約をしてもらえなかったり。本当に次から次へと壁が出てくる感じで、かなり試行錯誤していました。

― そんな開発の過程でなにか転機はありましたか。
志賀 サービスとしての形が見えはじめた頃にクラウドファンディングを実施したことでしょうか。きちんとしたスキームを提示できないと支援も集まらないので、実際に使ってもらう前提でカウンセリングのことなどシステムをきちんと整備するきっかけになりましたね。結果は想像以上で、たった一日で目標額を達成。驚くほど反響をいただいて、みんなに期待されているサービスなんだなと事業化への自信につながりました。

カウンセリングから見えてきた新たなニーズ

― 現在感じている課題があればお聞かせください。
志賀 女性のキャリアアップと妊娠リミットの問題については、いくら個人が頑張っても社会が受け入れてくれなければ難しい部分があります。どんなライフプランを設計しても、それを実現できる土壌がないと意味がない。だから今後は企業や行政にもアプローチして、文化や価値観を変えていかないといけないと思っています。じつはクラウドファンディングをしたとき、支援者の1/3は男性だったんですよ。男性と女性が協力しあって出産育児の問題を考える。そんなあたたかい社会に向けての意識変化は、すでに始まりつつあるのかもしれません。

― 今後の事業拡大について、どのような展望がありますか?
志賀 「EggU」にはカウンセリングのサービスもあるんですが、そこではいろいろな女性の悩みが聞こえてきます。いますぐ妊娠を望まない場合のヘルスケア、卵子凍結、他の女性がどんな考えや行動をしているのか知りたいなど、さまざまなニーズが見えてくるんです。そうした声に応えることのできるビジネスを、BeLiebeだけでは無理なら他のパートナーと協力して、今後さらに模索していきたいと考えています。

時間を有効活用し事業成長

― 大阪トップランナー育成事業に応募されたきっかけは?
志賀 きっかけは知人の紹介でしたね。これまでの認定プロジェクトを見ると親しくしている起業家の方もおられて、事業をしっかりと成長させてくれるプログラムなんだなと思いました。伴走してくれるコーディネータのサポートを受けて、事業がさらに加速できるかもしれない。そんな期待から応募を決意しました。

― 認定プロジェクトになってからの感想はどうですか。
志賀 コーディネータは良い意味でお尻を叩いてくれますね。会社員としての職務もあるのでBeLiebeで活動する時間は限られますが、だからこそ効率的な時間の使い方が事業成長の鍵になると思うんです。その点、コーディネータは中長期的なプランや経営戦略を適切に提案してくれます。これから開発する企業向けサービスの進捗もしっかり確認してくれて、本当に助かっています。もともと伴走支援があることは知っていましたが、ここまで一緒になって伴走してくれるとは想像以上でした。コーディネータはとても心強い存在です。

希望するマッチング&パートナー例

  • 女性活躍や、仕事と子育ての両立支援に取り組む企業
  • 少子化対策に取り組む行政・自治体
  • 働く女性の価値観をリスペクトする産婦人科クリニック
  • 卸、ドラッグストアなど

企業DATA

医療機器販売/ヘルスケアコンシェルジュ事業/企業向けセミナー・コンサルティング事業

株式会社BeLiebe
代表取締役社長 志賀 遥菜