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業界外の宅建士資格保有者を活用し不動産業界の経営効率化をめざす

PROJECT
業界初の不動産契約ギグエコノミーサービス「SKILL SPARK」
COMPANY
株式会社 SKILL SPARK

業界外の宅建士資格保有者を活用し不動産業界の経営効率化をめざす

法改正で可能となった宅建士業務のオンライン化。
潜在宅建士のオンライン派遣によって不動産会社の人材不足を解消し、経営効率化や事業拡大ニーズに対応する。

潜在宅建士をオンラインでスポット派遣

― 認定プロジェクトの「SKILL SPARK」というサービスについてお教えください。
茅原 宅地建物取引士いわゆる宅建士は、不動産の賃貸・売買契約の際に、重要事項の説明や重要事項説明書・契約書類への記名・押印をおこなう専門家です。不動産会社では従業員5名につき1名の宅建士を設置することが義務付けられている重要な資格ですが、不動産会社の98%を占める中小企業では宅建士の人材不足が潜在的な課題となっています。そこで宅建士を契約1 件ごとにスポット派遣するプラットフォームサービス、それが「SKILL SPARK」です。

― 具体的にはどのようなスキームでサービスを展開するのですか。
茅原 宅建士の資格保有者は全国に115万人ほどいますが、じつは30%しか不動産業界で活躍していません。出産育児でリタイアした方、金融関係など他業界で勤務している方、あるいは資格は取得したけれど活用していない方などが多い。そうした業界外の潜在宅建士を弊社独自システムで業界水準まで育成しています。
宅建士の人材不足を抱える不動産会社が、弊社の宅建士データベースの人材を1件単位でスポット派遣で活用するサービスです。利用方法としては、LINEで活用が可能です。必要なタイミングで、LINEのQRコードを発行して、希望する日時で登録宅建士を即時に確保することが可能です。説明当日はオンラインを通じて登録宅建士が重要事項説明を実施するという流れです。

法改正後、スピーディにシステム開発

― サービス開発のきっかけはなんでしたか。
茅原 私自身は現在もNTTに勤務していて、5年前から業務で不動産関連に携わってきました。いろいろと業務改善のサービスを提案はしていても、最終的には人の問題になるんですね。これまでは常時雇用の宅建士しか重要事項説明や契約を担当できないため、事業を拡大したくても人材不足になりやすい。求人の手間や採用コストも大きな問題になる。そんななか2022年5月に宅建業法が改正され、重要事項説明のオンライン化や契約書などの電子化が可能になりました。これによって具体的にどれぐらい人材の効率化が実現できるか調べていくうちに「SKILL SPARK」の構想が芽生えてきました。

― NTTに勤務しながらこのビジネスを起ち上げたわけですか。
茅原 ええ。会社にも正式に副業申請をしたうえで起業しています。システム開発や営業もNTTの仲間達で開始して、今では他の大企業やスタートアップに所属するメンバーがジョインして事業を進めています。2023年4月に創業し、内製ならではのスピード感でベータテストまでこぎつけることができました。さらにブラッシュアップして、2024年4月頃には正式サービスを開始したいと思っています。

潜在宅建士の活躍にむけて、評価システムの実装もめざす

― サービスの基幹にLINEを活用したのは、なぜですか。
茅原 やはりお客さまを含めて誰もが使い慣れているツールであることがいちばんの理由です。新たなアプリをダウンロードして操作をいちから覚えてもらうより使いやすいものになるだろうと。もちろん契約業務なのでセキュリティは重要になります。アップロードされたデータベースについては多重のセキュアポイントを設けて、データなどの流出が起きないようしっかりと設計しています。

― 「SKILL SPARK」ならではの特長や優位点について教えてください。
茅原 まずは業界外から宅建士として働く層を増やしていくためにも、公平なシステムを意識しています。登録宅建士には、全員に均等に仕事が配分されるようなアルゴリズムを構築しているところです。そのうえで、積極的に活動してくれる宅建士には実績に応じてロイヤリティがプラスされるようなWeb3.0活用のシステム開発にも着手しています。
まだ開発途中ですが、お客さまへの説明の様子を録画して、AIによる画像認識でお客さまの満足度を評価するようなシステムにも挑戦しています。そうしたデータをもとに、不動産会社が指名したくなるようなキャリアを登録宅建士に築いていただく。「SKILL SPARK」ならではのテック面での優位性をもったシステムにしていきたいですね。

TURNING POINT

不動産会社に事業拡大のチャンスを

― 人材不足の解消以外に不動産会社がシステム導入するメリットはなんでしょう。
茅原 やはりコストの軽減ですね。事業拡大したいときには宅建士の求人だけでも大きなコストが発生します。「SKILL SPARK」なら、このコストを大幅に軽減できて、しかもその人の実力を見てオファーができる。これは大きなメリットだと思います。
また、現在日本の不動産市場には中国をはじめ多くの外資が流入しています。しかし彼らは外国語の話せる海外企業の宅建士を通じて不動産を取引することが多いため、日本の不動産会社には海外マネーのメリットがない。今後は多言語の話せる宅建士が登録することも増えていくでしょうから、そうしたビジネスチャンスをつかむことができるようになると思います。

― 今後の展開や発展はイメージしておられますか。
茅原 不動産関連としては、マンション管理や行政書士といった分野との橋渡しにもアプローチを広げていけたらと考えています。さらに将来的には、時間と距離に依存せずに人と人とをつなぐサービスへと発展させたい。たとえば地方でアーティストを志す人が、東京の有名な先生からダイレクトでトレーニングを受けられるようなイメージです。オンラインの世界を活用して、さらにマーケットを拡大していきたいと思っています。

希望するマッチング&パートナー例

  • 新規開業の不動産仲介会社
  • 雇用宅建士の退職により契約業務が逼迫している既存事業者

企業DATA

不動産関連ITサービスの企画/開発/提供

株式会社 SKILL SPARK
代表取締役/CEO 茅原 郷毅

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