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オンラインによる食育で、子どもの理解力や応用力を育む

PROJECT
こどもが料理をすることが当たり前の世界を実現する「POSICOOK」
COMPANY
株式会社ルーアンライト

オンラインによる食育で、子どもの理解力や応用力を育む

家庭での料理を、家事や趣味としてではなく教育として考える。そんな食育というテーマに正面から取り組んだプロジェクトが、子どもたちのポジティブな成長を支援していく。

子どもに自己肯定感をもたらす教育

― まず「POSICOOK」というサービスについてお教えください。
大坪 もともと「ゆめつぼ」という子ども料理教室を運営していて、現在では大阪府内に5か所のフランチャイズ展開もおこなっています。「POSICOOK」は、そのオンラインスクールになります。アップロード動画はすでに200種類を超え、作った料理を投稿・シェアできるオンラインコミュニティも用意されています。1年間学べば、子どもたちが冷蔵庫の中にある食材を見てメニューを考え、自分で調理ができるようになることをめざしています。

― 子どもたちにとって料理を学ぶメリットはなんでしょう?
大坪 私たちがテーマにしているのは、あくまで「料理を通じた食育」です。冷蔵庫の食材から自分でメニューを考えることは理解力や応用力を育みます。また、自分で料理を作ることができたということ、美味しいと褒めてもらえたことの達成感は、やればできるという自己肯定感につながっていきます。こうした成功体験を積み重ねることは、まさにポジティブな思考や行動を育んでくれるため、子どもたちの健康的な成長にとってすごく重要なんです。

医療少年院での経験から事業化を決意

― このプロジェクトをスタートさせたきっかけは?
大坪 きっかけは昔のダイエットですね。いざダイエットしようとすると、いろんな情報があふれていてどれが正確なのかわからない。だから管理栄養士になろうと決めました。その後、機会があって医療少年院の栄養士をすることになったんです。病気のことや栄養のことを考えて献立表を作るんですが、日々の食事だけで子どもたちが本当に喜んでくれるんですよね。そしていろいろ話を聞いていると、やっぱり小さい頃の家庭環境に問題のある子が多く、犯罪を犯した子どもたちもある意味で被害者なんだと実感しました。そこで子どもたちへの食育の重要性に気づいたんです。柔軟性のある子どものうちから、SDGsにも掲げられている「質の高い教育をみんなに」を実践できれば、きっと大きな効果が出るだろうと。それがプロジェクトの発端でした。

食育への本気さが伝わる工夫と教材

― 事業化にあたって苦労したことはありますか。
大坪 私自身、じつは料理が苦手だったことでしょうかね。

― えぇっ!?
大坪 栄養管理が専門ですから料理そのものは得意ではなかったんですよ。なので頑張って料理技術を身につけることから始めました。とはいえ、学んでほしいのは技術ではなく自己肯定感です。未就学児が多い親子教室は、料理技術を教えているところは少なく、こども料理教室では「正しい料理を教える」ことを重視している教室は沢山あります。私たちは、子どもでも作れて栄養バランスの取れた献立をしっかり考えたり、興味を持ちやすいクイズ形式にしたり、道具も安全に使える包丁をオリジナルで用意したり、いろいろと工夫しています。そんな食育を本気で考えた内容が口コミで広がったことにより、多くの人から支持を集めることができました。


オリジナルで制作した子ども用包丁

― それでは動画づくりなどもかなり工夫を?
大坪 そうですね。子どもたちが理解しやすいスピードで展開するようにして、テロップなどもわかりやすく見やすくなるよう配慮しています。ご家庭では親子で一緒に見るわけですけど、料理が苦手な親御さんでも安心して料理を教えられるようになっていると思います。

リアルとオンラインの融合で拡大へ

― プロジェクトの今後の展望はどう考えておられますか。
大坪 リアルとオンラインがハイブリッドしたような形でスクール展開をしていきたいですね。「POSICOOK」で作成した動画があるので、きちんとしたマニュアルを用意すれば、だれでも子どものための食育をできるわけです。子育てを終えて余裕のできたご家庭が自宅で教室を開くようなスタイルでもっとフランチャイズを増やしていきたい。多くの子どもを預かる保育所などもマッチングパートナーとして有望だと思いますし、食育を通じて社会貢献できるというメリットを訴えて食品会社とのタイアップなども考えています。今後は2年間で47か所にフランチャイズ教室をオープンすることが目標ですが、将来的には有名学習塾のように全国の町のいたるところに看板があるような存在に育てたいですね。もちろんそうした事業拡大には私自身の知識やスキルも重要で、実は今大学院で経営学を学んでいるところです。

認定事業としての信用が計画を支援

― トップランナー認定事業に応募された理由は何でしょう。
大坪 やっぱり肩書ですね。個人だと企業や行政は、なかなか話をつなぎにくいのが現状です。けれど大阪市の認定事業という肩書があれば、門前払いされることはないかなと。どんな相手でも話さえ聞いてもらえればあとは交渉次第ですからね。

― 他に認定された効果はありましたか。
大坪 やっぱりコーディネータの方のサポートが心強いです。月一回のミーティングでは気づけなかった問題点を発見してくれますし、必要に応じて専門家の方を手配してくれる。オンラインスクールの会員登録やフランチャイズなどは契約が重要になるんですが、紹介してもらった弁護士の方にしっかりチェックしてもらえて安心です。PR面も、支援の一環で行政が発行している市民情報誌に広告を掲載できました。

希望するマッチング&パートナー例

  • 食品会社
  • 地方公共団体
  • こども園、保育園、幼稚園

企業DATA

こども料理教室、こども料理教室FC事業、オンラインスクール

株式会社ルーアンライト
代表取締役 大坪 さやか