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だれもが「働きたい」と思える食品工場のために

PROJECT
業界初!PROJECT 食品工場自動化促進サービス「FOOD TOWN」
COMPANY
Robots Town株式会社

だれもが「働きたい」と思える食品工場のために

人手に頼った現場環境から生産効率の低さが問題視されている食品製造。その現状を打破するためITやAIの技術を駆使して自動化をサポートし、食の未来を開拓する。

自動化を支援するマッチングサービス

― プロジェクト認定を受けた「FOOD TOWN」というサービスの概略からご説明願えますか。
白坂 「FOOD TOWN」とは、課題や悩みを抱える食品工場などの食品関連事業者と、その課題を解決できる食品機械メーカーが直接つながることのできるマッチングサービスです。食品というのは工業製品ではないので、まだまだ人手の作業に依存している部分が多く、季節商品の改廃などで製品のライフサイクルも短いため自動化の進んでいない業界です。しかしながら社会的な問題として人手不足や高齢化などが深刻化する中、自動化、省人化のニーズは拡大しています。そうした課題を解決するために、マッチングプラットフォームを立ち上げたわけです。

― サービス開発のきっかけはどのようなことですか。
白坂 大手食品メーカーに勤務していた頃から、食品工場の効率化についてはつねに問題を感じていたんです。その後、他社に移籍したときはさらに遅れた環境で、おなじ食品業界でも自動化や効率化には大きな差があることを痛感しました。そこでこの問題を解決するために「FOOD TOWN」の開発を決意し、かつて同僚であった内野を誘って起業したんです。

内野 現在の食品業界というのは99%が中小企業で、労働生産性を上げていかないと人手不足や賃金上昇で生産活動そのものができなくなる未来がすぐそこまで来ています。そうなる前に、この現状を「FOOD TOWN」で変えていきたいと思っています。

課題の発見から解決までトータルに提案

― このサービスのポイントや強みは、どこにあるのでしょう。
白坂 まずは食品業界に特化しているところですね。そして食品メーカーに機械装置メーカーをただ紹介するのではなく、自社課題の発見や整理、解決までをトータルに相談できる場所でもあります。
内野 訪問してくださった食品メーカーにはヒアリングシートを用意しているんですが、漠然としたものも多いんです。「自動化をどう進めれば良いのかわからない。情報がない」と。そうした現場の悩みに対して、食品工場で生産に携わってきたわれわれの知見を活かして最適な機械や設備を提案させていただきます。
白坂 単なるマッチングサービスでは、やはり導入後のミスマッチが生じがちです。課題整理した上でコーディネートすることで、そうしたトラブルを未然に防げるわけです。また、現在はヒアリングシートの解析をひとつひとつアナログな手作業でおこなっていますが、ここにAIを導入するべく開発を進めています。いまもリアルタイムで蓄積されている膨大なデータをもとに、抱えている課題の簡単な入力だけで迅速に、しかも精確なアンサーが返るようなシステムを考えています。

― サービス開始にあたってもっとも苦労された点は?
白坂 まずは、わたしたちのイメージするシステムを実現するためシステム開発会社に食品生産現場の仕組みや実情を理解してもらうことでしたね。ここは本当に苦労し、システムが完成するまで約一年かかりました。そして、これを広めていくにはどうすれば良いかという戦略の部分。これも難関でした。食品メーカーと装置メーカーの両方を集めないといけないわけですからね。魅力あるプラットフォームにするためには、鶏が先か卵が先か。そんな葛藤がありました。
内野 知名度のない会社のリリースした新サービスなんて信用もありませんしね。とにかく、われわれの描く食品業界の未来の姿、これからの可能性を伝えていくしかないと。展示会でコンタクトをとったり、直接電話してアポイントをとったり。担当者の方から決済者の方へと、何度もお話させていただいて、地道に説得していった形です。おかげでサービス開始時点には200社もの装置メーカーにご参入いただけました。
白坂 認知度を高めるというのは今後も続く課題ですが、そういう面では大阪トップランナー育成事業には助けられています。大阪産業局関係のイベントやセミナーでプレゼンテーションや講演の機会を多くいただき、そうした場では「面白そうだから登録させてほしい」といったお話が10件以上あったりしますね。


根気強い営業から絆を深める内野氏(左)と精力的に講演会等に登壇し認知度を高める白坂氏(右) 異なるアプローチで参画メーカーを拡大

コンテンツ充実とリアル連携で事業拡大

― 「FOOD TOWN」の今後の展望についてお教えください。
内野 地道に獲得してきた200社の登録装置メーカーですが、いま日本全国に1200社あると言われている装置メーカーすべてに参画してもらいたいですね。そのためには「FOOD TOWN」のコンテンツをもっと充実させて、必要時だけでなく日常的にも利用できるサービスにしないといけないと考えています。コラム記事や動画の拡充、SNSの活用などを視野に入れています。
白坂 システムとしては、オンラインだけでなくリアルとの連携も考えているところです。すでに日本食品機械工業会との協業も決定していて、そこが主催する日本最大級の食品機械展示会「FOOMA JAPAN」と「FOOD TOWN」が連携する予定です。ヒアリングシートに記入すれば問題解決に役立つ装置が出品されているブースが展示会場の地図でマーキングされたり、現地に行けない人のためにバーチャル会場を「FOOD TOWN」に設営したりといったアイデアを今後実現させていければと思っています。とにかく食品工場の生産性や効率性を高めて、若い人たちから「働きたい職場」と言ってもらえるような環境にしたいですね。

希望するマッチング&パートナー例

  • 食品機械ユーザー事業者が加入している協会団体

企業DATA

食品工場の自動化に関するシステム設計、開発業務

Robots Town株式会社
代表取締役社長 白坂 紳滋